WikipediaTown稲梓中学校

2020/1月
静岡県下田市にてWikipediatown稲梓中学校を開催しました。
このWikipedia townでは「閉校される母校の歴史に関する歴史、伝統を学ぶと共に
WikipediaTownを通じて、オープンデータ、情報リテラシー等教育についての知識も学ぶ。」という目的で
下田市教育委員会と一緒に今後閉校される4つの中学校を対象に3年かけて順次進めていく
ことを前提にまずは下田市立稲梓中学校の1、2年生を対象とした
1限50分を2年生と1年生それぞれに授業を行ないました。

また、下田市では2017年にも下田小学校と白浜小学校でも開催経験があり、その際は
父母同伴の1日イベントとして開催しています。

2017/11/3 WikipediaTown in 下田小学校&白浜小学校

事前打ち合わせ

まずはどういう授業にするかの打ち合わせを静岡県ICTエキスパートの市川博之と市川希美、元学校司書の目黒幸恵の3人でしていきました。
・本からの情報の取り出し方
・取り出した情報の扱い方
を中心に50分ではWikipediaの執筆方法まではとても説明できないと判断し、
事前に前提知識として持っていて欲しい部分を事前スライドに教材として使える資料として当日使うスライドを、
今後困った時に参考になる資料として事後資料を作成することにしました。
また、中学生という年齢を考慮して当日はなるべく自発的に調べる気持ちを促す事を
重視していきます。

また、時間が足りないので前提条件として知っておいて欲しい知識を先生用と生徒用に作成し
授業までに配布して読んでおいてもらう様にしました。

打ち合わせ議事録

事前スライド先生用
https://www.slideshare.net/ssuserec4739/wikipediatown-before-t
事前スライド生徒用
https://www.slideshare.net/ssuserec4739/wikipediatown-before-s-222553721

前日2020/1/16

事前にパスファインダーを送って貰っていたのですが、記事を書くための資料がどれぐらいあるか不安だった為、目黒さんと前日入りをして下田市立図書館を調べました。

下田市立図書館

学校での一次史料は50周年記念誌というメモリアル写真集だけだったので、
市町村合併前の市史や広報を中心に情報を探し、リファレンスをかけたところで
司書さんがWikipedia town用の資料を寄り分けてくれてたことが判明し
新聞記事など中心コピーをしていきます。
このあたりは以前行ったWikipediatown下田小学校と白浜小学校のことを覚えてくれていて
閉校の経緯がわかる議会資料や新聞資料まで手厚く集めてくれていました。
コピー数が膨大だったので閉館時間を超過してしまい大変申し訳なかったです…
資料も学校に一次資料があるとは思いつつ、図書館の資料も必要と考える貸し出し処理をお願いしました。
図書館が閉まった後は宿泊場所に戻り、資料に目を通しつつ、当日の資料を修正しようということで深夜まで授業資料の編集と事後資料の動画作成を行ないました。

当日2020/1/17

タクシーで図書館に資料を受け取りに行き早めに中学校に入ります。
校長先生からWikipedia townをやりたいという思いや、学校と地域との関係を伺います。
学校の図書室を見せて貰い他にも一次資料がないかあたりますが、なかったので早々にパソコン室に準備に向かいます。2年前に開始していたことと、パスファインダーをもらっていたことですっかりその分の資料が学校にあると思っていましたが、まさかの資料一切無し状態…完全な確認不足…
念のために図書館から本を借りてきて正解でした。

稲梓中学校

1回目は2年生の授業でしたが、生徒よりも他の学校の先生や教育委員会、TV取材記者などのギャラリーがたくさんいてとても緊張しましたが、めちゃくちゃ素直で人懐っこい生徒達だったので助かりました。
学校にはチャイムが無いとの事で時計と睨めっこしながら授業を開始します。
スライドでは検証可能性=本の出典をつけるの説明がわかりずらくなってしまい、ワークに
入る前にWikipediaを自力で編集しようとする子がいたりして肝を冷やしました。

ワークの流れは
1.Wikipediaから何個こちらから提示した中学校の記事を見て、その中で自分の学校に必要そうな項目を1つ決める。
2.調べたい項目が書いていそうな本や新聞を探す
3.本から情報を抜き出し情報カードに書き写す
4.情報カードを複数制作するか同じ項目を選んだグループと合わせる
5.情報を自分の言葉でノートに書き換える
という形までを想定して行いました。
時間的にできるのは3まで出来れば上出来と思ってましたが、
検索する中学校をどれにするか選ぶ、学校の名前が読めない、タイピング速度等で思った以上に1に時間がかかってしまいました。
百科事典としての視野を広げる為に複数の記事を見せたことも仇になり、出典が無い項目を当たってしまった生徒も多く、情報カードに書き出せる生徒さんはほとんどいませんでした。
ただ、ここでは知りたいと思っても資料がないと調べられないという点を実感してもらえれば上出来でした。

二年生の授業の様子

2回目は1年生の授業だったので、反省点を休み時間中に急いで修正。
出典=本と理解できるページを追加し、ワークの1の工程を1つの学校に絞りわかりやすくしました。
説明の修正と、生徒が半分ほどに減ったのもありワークは先ほどよりスムーズに進み3まで出来た生徒もぼちぼち出てきた…というところでタイムアップ
興味が湧いた子は次の日のウィキペディアタウン下田に来てね、というのと
Youtubeの編集動画を紹介して授業は終了となりました。

一年生の授業の様子

当日のスライド(2回目に修正した後のスライドで、説明は20Pまで)
https://www.slideshare.net/ssuserec4739

ちなみに、この次の時間は給食だった為私たちも給食を頂戴しました。
メニューは、ごはん、太刀魚フライ、鶏肉と根菜の汁、和風サラダです。

学校給食

学校の実態と合わせて授業作成をしないと、生徒の理解が追いつかないことや
自分たちの学校を客観的な視点でどう見せるかという工夫不足など、課題は山積みでしたが
今後にいかせていければ良いと思います。

翌日2020/1/18

WikipediaTown下田を開催。
午前中2時間半のみの開催の為、前日の夜に加筆項目を決めてテンプレート化しておきます。
公民館での開催だった為、不足資料があればコピーしてもらおうと図書館班と
公民館班でスタンバイという状態で開始します。
教育委員会の方に昨日学校で使った資料がまだ手元にあるということで使わせてもらいました。
予想はしてたものの、全く誰もこなかったので教育委員会と振興局職員さんに
ウィキペディアタウンの効果や他での事例、今後の進め方、稲梓の地域情報などを話ながら
記事を作成していきました。
記事の完成度合いを、記事を見た中学生や先生が自分で調べて書きたくなる程度までに止めることを目安に、この様な記事を加筆しました。

下田市立稲梓中学校

執筆中の様子

後日

校長先生も自分の学校の記事が更新されて喜んでいるとご連絡がありました。

静岡新聞での取り組みが紹介されました。
https://www.at-s.com/news/article/local/east/727422.html?fbclid=IwAR3Tygsx3SkLj9gM7Q2jPpo0XzLaUSM72R8WT52y6okirfFIbdPChv7mmTI

Wikipediaの編集方法動画
https://www.youtube.com/watch?v=DSXLAIwJE2g

<事後スライド>
https://www.slideshare.net/ssuserec4739


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